出久根育展 チェコからの風 静寂のあと、光のあさ

2025年4月17日(木)~6月16日(月)
あたたかくどこか残酷で生命の尊さを思わせる美しい“赤”と独特な世界観。
絵本作家・出久根育(1969-)の表現の根底にあるのは、幼い頃の“数えきれないほどの絵本との出会い”。
1994年に処女作「おふろ」でデビューした出久根は、2003年、グリム童話「あめふらし」のイラストで、歴史あるブラチスラバ国際絵本原画展のグランプリを受賞する。次第に、自身が師と慕う、ドゥシャン・カーライ(1948-)の影響下を離れ、代表作「マーシャと白い鳥」では、ヨーロッパの風土と伝統に根付いた美しさが画面から溢れ出し、2002年から移住したプラハでの生活が作品に別の命を吹き込んだことがわかります。
本展では、日本を離れて20年以上、「チェコのグリム」と評される、カレル・ヤロミール・エルベン(1811-1870)が収集した民話の挿絵を手掛けるなど、テンペラや油彩を用いた作風で、日本人でありながらチェコでの評価も高い出久根ですが、いくつかの転機を経た現在、大地が春に目覚めるように”光のあさ”を迎えています。
デビュー以来30年。国内外のあまたの作家に望まれ、絵本や読み物の挿絵で揺るぎないキャリアを築いてきた出久根の新たな挑戦は、絵も文も手掛ける”創作絵本”。「こどもべやのよる」をはじめとする、幼い頃の自分自身を投影した世界。そこには、日本に育ち、チェコで暮らしたからこそ描ける、どちらの国でもない不思議な空気感が広がります。そして、2025年、一冊の絵本が誕生します。本展のメインビジュアル《わたしはしっているの》につながる特別な物語。 今回、その最新作から初公開の原画も展示。中東欧の民話などの代表作はもちろん、初期の銅版画や、子どもたちに人気の「こうさぎ」シリーズを含め、約150点の原画を通して、出久根が真摯に描き続けたこれまでの画業を辿るとともに、新しい季節を迎えた、絵本作家・出久根育の現在の魅力に迫ります。
会期 | 2025年4月17日(木)~6月16日(月) |
休館日 | 水曜日(祝日は開館) |
開館時間 | 9:00~18:00(受付は17:30まで) |
入館料 | 詳しくはこちら |
主催 | イルフ童画館、公益財団法人おかや文化振興事業団 |
企画監修 | 武蔵野市立吉祥寺美術館(公益財団法人 武蔵野文化生涯学習事業団) |
協力 | ちひろ美術館・岩波書店・偕成社・Gakken・西村書店・のら書店・福音館書店・フレーベル館・ブロンズ新社・理論社 |






